弊社の技術をご紹介します。

アルミニウム溶湯処理技術について

0. はじめに

 アルミニウムは活性な金属であるため、溶湯の清浄度が製品の直行率に大きく影響します。良い製品を作るためには、適切なアルミニウム溶湯処理を行い、溶湯の清浄度を確保する必要があります。
 弊社は1956年の創業以来、溶湯清浄化のためのアルミニウム溶湯処理関連の技術を探求して参りました。このページでは、アルミニウム溶湯処理についての簡単な解説を行いたいと思います。


1. フラックス処理による溶湯清浄化

フラックスの役割
 アルミニウム溶湯には合金成分のほかに酸化物、介在物、水素ガスやアルカリ金属などが混在しています。これらを除去し、溶湯の清浄化を図るためには、一般にフラックスを添加するという方法が取られています。フラックスは溶湯中の不良原因物質を物理的(吸着)あるいは化学反応させて取り除きます。使用する用途や溶湯の性質に合わせて、多種多様なフラックスが存在します。

フラックスの添加方法
 溶湯品質向上のためにはフラックスの投入方法も重要です。単純な投込みと撹拌でも一定の効果はありますが、反応効率が低いことや発煙などの問題が生じます。そこで、不活性ガスをキャリアーとしてフラックスを溶湯内に吹き込む装置を使用します。このフラックス添加装置ではフラックス粒子を溶湯と十分に混合・撹拌して反応性を高めるとともに、発煙の減少にも貢献します。

フラックスの原料とその性質
 アルミ合金フラックスは、主としてアルカリ金属(ナトリウム・カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム・バリウム・マグネシウム等)、及びアルミニウム、ケイ等の塩素化合物・フッ素化合物等を主成分としています。原料・性質についての詳細はこちらをご覧ください。


2. 脱ガス処理による溶湯清浄化

脱ガス処理とは
 脱ガス処理とは、溶湯中の水素ガスを除去する処理のことです。アルミニウム溶解中には水素ガスが混入します。原因は、溶解工程において水分から生じた水素原子が溶湯中に溶解するためです。溶湯中の水素ガスは引け欠陥に繋がるため除去することが望まれます。

脱ガス処理の方法
 脱ガス処理の方法としては、溶湯中に不活性ガス気泡を吹き込むことが最も有効とされています。吹き込まれたガス気泡の吸収ガス分圧を利用し、水素を吸着します。この脱ガス処理を効率的に行うために、脱ガス処理装置を利用することが必要です。
 脱ガス処理装置は、一般的に下図のような構造をしています。溶湯炉の中に回転式のミキサーを入れ、先端から細かな不活性ガスを溶湯中に行き渡らせます。同時に、湯面をできるだけ波立たせないようにし新たな酸化物の発生を抑えます。


3. 溶湯品質の測定

溶湯品質の検査方法について
 アルミニウム溶湯処理を行った結果、その成果を正確に把握できなくては製品の品質管理には役立ちません。溶湯の清浄度を判定できる手法が必要になります。
 従来の溶湯清浄度判定方法は主に目視によるものでした。しかし、この方法では人為的要因が大きく判定結果がバラつく可能性があります。したがって、溶湯品質の管理のためには専用の高精度な検査装置が必要と考えます。弊社では、目的に合わせて様々な検査方法・装置で溶湯処理の成果を測定しています。

アルミニウム合金溶解・鋳造フローチャート

アルミニウム合金の溶湯処理をフローチャートにまとめました。
ご自身の作業現場に、適合する処理方法を、ご確認下さい。

資料はこちら

JIS鋳物用アルミニウム合金地金

JIS規格の鋳物用アルミニウム合金の成分表です。

資料はこちら

ダイカスト用アルミニウム合金地金

ダイカスト用アルミニウム合金地金の成分表です。

資料はこちら

鋳物・ダイカスト用アルミニウム合金中の各元素の影響

一般的な元素の、アルミニウム合金に及ぼす有効性・有害性を一覧にまとめました。

資料はこちら

JISアルミニウム合金の種類

合金の特色・性質、使用例(どのような部品に使用されているか)を一覧にまとめました。

資料はこちら

金属元素の物理的性質一覧表

金属元素の原子番号・金属元素名・元素記号・原子量・融点・沸点・密度・比熱・熱伝導度が記載されています。

資料はこちら

元素の周期表

最新の情報を網羅した元素の周期表です。

資料はこちら

レアメタル62元素

日本の企業は、レアメタルの製造技術や環境対策技術についても世界のトップレベルと言われています。
この貴重なレアメタルの種類、性質、存在度、使用例をまとめました。

資料はこちら

   
ページトップ